「情報家電」で産業復活のチャンスを逃したな!

「情報家電」で産業復活をについて

いまから10年以上前に書かれた文章だが・・・・
この池田信夫っておっさん、案外鋭い切り口で未来を予言し、日本の産業復興への素晴らしい提言をしてる!

下記の引用文は、かつて黒沢明氏らが世界で評価されていた頃の日本のコンテンツ産業が没落の一途を辿り、衰退しきった原因と改善方針を分かりやすく表現してる。

映画はテレビの登場によって衰退したと思われているが、米国では映画は今や最大の輸出産業の一つであり、こうした映像コンテンツ(内容)の分野は、今後の多メディア化における中核産業と見なされている。ところが日本の映画業界は閉鎖的な系列興業システムによって自滅し、NHKはサラリーマンによる自社制作を続け、民放は劣悪な制作条件でプロダクションを搾取してきたため、日本にはまともな映像作家がほとんど育っていない。この人材の貧困がボトルネックとなり、通信衛星では番組の不足のために中継器が埋まらない状態である。しかしテレビゲームやアニメーションを見ればわかるように、条件さえ整えば日本人の映像センスは世界に通用する。この才能を生かし、次世代の産業を育てるには、これまでの通信・放送業界の構造を抜本的に変える必要がある。

いまさらながら、そのとおりで日本の抜本的な問題と改善の方向をシンプルに言い表している。

まさに、NHKはサラリーマンの自社制作で安全で安牌なものばかり!ビックリするような斬新で面白い映像なんてできるはずがない。

さらに、「民放においては劣悪な制作条件でプロダクションを搾取してきた!」って表現はズバリ正しく、民放放送局は、スポンサーからは莫大な金をもらってるくせに、制作会社・プロダクションに落ちてくる金はビックリするくらい少ない。結果、どこも同じでバカみたいなくだらない番組で溢れている。


で、本題の情報家電であるが・・・・

インターネット以後の次世代ネットワークの中心はデスクトップではなく情報家電が主役になり、まだまだ日本には無限の可能性があるんだと下記のように言ってはいるが・・・・

この次世代ネットワークの中心は、現在のようなデスクトップ・コンピューターではなく、キーボードなしで簡単に使える「情報家電」である。テレビ・冷蔵庫・エアコンなどに組みこまれるマイクロコンピューターの数は数年のうちにパソコンを越え、互いにネットワークで結ばれてIPを交信して動くようになる。デスクトップの世界は米国の「一人勝ち」状態だが、情報家電ではソフトウェアを家電に組み込む日本メーカーの製造技術が不可欠だから、これは日本の家電産業が活性化するきっかけとなりうる。またインターネットで映像が全世界に流通するようになれば、コンテンツ産業は新たな成長部門となる可能性もある。

そう、たしかに10年前はそんな希望に胸踊らせて頑張っていたけれども・・・・

どうやら、情報家電も日本は負けちゃった。テレビ・冷蔵庫などに組み込まれるマイクロコンピュータって具体的にネットワークで繋がって機能していないし、そうこうしているうちにTVにはGoogleTVなんかが出てきちゃって、その中心にはAndroidがどっしり居座っちゃった。

これからは家電にもジャンジャンAndroidOSが入り込んできて、携帯やその他の家電と繋がっていくんだろうなあ!
そして、その家電にサクサクAndroidOSを入れていくのは日本のメーカーじゃなくて韓国・台湾勢なのかもしれない。

そろそろ、朝鮮半島のメーカーは体が受け付けないなんてナショナリスト的な発言は差し控えSamsung製やLG製、HTC製の購入を具体的に検討しなければ世界から取り残されちゃうかもしれない。

もう、そんな時代なのである。


そして、もうひとつの期待の星、コンテンツ産業だが・・・・

系列興業システムと民放放送局(特にキー局)を頂点とした、垂直統合モデルを破壊して、水平統合モデルにしなければ、先に上げたような問題から決していい作品は出てこないであろう。

何とか、水平統合モデルを構築するためには、コンテンツ制作プロダクションやクリエイターがもっともっと力をつけ、テレビ以外の多様な配信チャネルを創造し、既得権益という甘い汁を吸い続ける、マスメディア企業たちと対等に渡り合っていかねばならない。

脱、日本!脱マスメディア!打倒、既得権益者!

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